かいたことおきば

メロンと一緒

お母さんに任せちゃダメな話

こんばんは。めろんです。

 

突然ですが皆さん…後悔していることって

ありますか?

 

もしもタイムマシンがあり、過去の自分に忠告を加える事ができたら、どの日に行きますか?

 

私は…

 

2回行かせてください。

 

1回は高校の卒業式の前。

 

2回目は成人式の前。

 

そのときの自分の肩を掴んでアドバイスしたい内容こそ、本日のブログの内容です。

 

「お母さんのことは一切信じるな。

お母さんには運転以外任せるな」。

 

ではまず、強い後悔の残る高校の卒業式から振り返ってみたいと思います。

 

うちの高校は私服だったので、

卒業式は女子の大半が振袖かドレスでした。

 

でも推薦組以外は夏や秋にそんなもの考えてる余裕があるわけないんですよ。

 

そんな中、ギリギリの12月頃…お母さんが動き出してくれました。

 

「袴だけど、島田さんのパート先、アルベルで借りるよ」

「えっ、アルベル!?あれ結婚式場じゃないの?」

「貸衣装もやってるんだよ〜」

 

アルベルは、「JUSCO」の消え残りの上から「AEON」と書かれた、全ての地元民すべて(※全員)の青春を見てきた大型スーパー、

のすぐそばに突然ある結婚式場。

貸衣装の在庫数は、思えばそんなに多くないんですよね。専門じゃないから…。本来、会場の方がメインだから。

 

アルベルに着くと、広い試着室に通されました。

「さぁ、何色を持ってきましょう!?」

せかせかしたおばちゃん〜おばあちゃんぐらいのスタッフさんが出てきました。

 

「えーと、じゃあパステルカラーで」

 

「パ、パステルカラー??」

 

眉をひそめる衣装やさん。

 

おいおい、大丈夫か…?

 

のっけから不穏な空気が、私と衣装屋さんの間に流れ始めました。

破天荒vs常識人みたいな、そんな雰囲気が…。

なんでよ。パステルカラー知っててよ。

 

ややあって、白地に、薄紫と薄墨でナス…?と花の絵をぼんやりと描いてみたような…感じの、なんかイマイチな着物が現れました。絶対ナスってわけじゃないけど、よくわからない紫の楕円みたいなものが描かれている…。

一着。

 

えっ、一着!?

 

「あの、ほかにないですかね?なんかこう、ズラーって並んでそこから選ぶことってできないものですかね」

 

「それはちょっと…。今、ご希望に合いそうなものとなるとこれですねぇ。」

なんでだよー!もっと置け!

仮にも貸衣装部門に手ぇ出したんだからー!!!

「じゃあピンクや水色とか、黄色とか、そのへんのはどうでしょう?良さそうなのはないですか?💦」

「えっ、えっ、ちょちょちょっとまって!ピンク、水色、黄色、そんなにたくさんの色はちょっと無理ですよ💦」

 

この時点で、「かわいい、いい感じのを色に関わらず何着か見繕って持ってきてもらう」というのは無理だというのがわかり、更に「とんでもない客」みたいな空気が、衣装屋さんのみならず、自分の家族にまで漂い始めました。

 

当時、お母さん、私、弟、妹の4人で動き回らなくてはならず、夕飯やお風呂の準備もありのんびりしてる暇はなかったのです。

「何言ってるのー!💢時間もないってー!早くして!もう買い物してご飯作らないとだから!」

 

忙しいお母さんも怒り心頭。

仕方ないのでそれと、ナス色に合わせた紫の袴に決まりました。

 

さて、うちの学校はメイクに厳しく、お化粧の習慣がない高校生だったので、美容院でメイクしてもらうことにしたのです。

 

世間知らずというのは大抵の場合自分の首を締めることしかないわけで…

へぇー美容院でメイクもしてもらえるんだあ。

と初めて知るめろんジュース。

 

これもよくわからないからお母さんにまかせてしまった。

 

連れて行かれたのは地元の中でもコンクリが一番古く赤茶になっている古い町、のカメラ屋とペットショップ屋と民家の間にある、こんなところに美容院!?みたいな、ホント、隙間に突然あるなぁ!?っていう、美容院だったんだぁ!?って感じの、地元のおばちゃんおじちゃんが行く所…でした。名前も「美容 みづえ」みたいな雰囲気。

 

美容院ならほかにも普通にあるのに、お母さん、何故、ここに…?

 

しかしもう当日の朝。

「下見」という行為の重要性が頭をよぎってももう遅いのです。

 

「じゃ、メイクしていくわねぇ」

 

野村沙知代さんのようなおばちゃんが、

私の顔に粉や紅をのせていきます。

白塗りの顔。黒くきつめの跳ね上げアイライン。の隅に、「真緑」のカラーをイン。

唇はバブル期のようなビビットな紫ピンクーーーーー…。

 

完成した私の顔を見て美容院の息子(おじさん)は大ウケ。

ドロンジョ様みたいww」

 

いや、あんたのお母さんがやったんだよこれ!笑うな!!!!!!!

 

と思いながら、もう直す術もなくーーー

 

そこにはドロンジョ様のメイクをした、袴の人が立っていました。

 

 

卒業式、扉を開けて私がどれほど驚いたかは、筆舌に尽くしがたいものがあります。

 

 

みんな、超っ……可愛い!!!!!!

 

 

濃い桃色に、春に咲くあらゆる花が咲きこぼれ初々しくも華やか、18歳にぴったりな振袖…

優しいレモン色にぱっと咲いた大輪の椿が目を奪う、少女らしさを残しつつハイセンスな振袖に合わせた濃紺の袴…

あえての抹茶色の上に白やピンクのコスモスと手毬がキラキラ、可憐に絡み合う振袖…

どれもこれも、今日という日に相応しく、美しいことこの上ないではありませんか。

 

そして皆大学生のようなメイクで、髪型も着物に合わせ花やカチューシャが厳選され、完璧ないでだち、と言える仕上がりになっていました。

友人達がいかに今日のおしゃれを楽しんで準備していたか。それは今日この日の晴れ姿の輝きを見れば一目瞭然でした。

 

「なんかいつもの方がいいよ!?」 「メイク凄くない!?」

みたいな感じで言われたりもしましたし、

いつも褒めてくれる友達すらも「どうした!?」「めろんの姿楽しみにしてたのに」とか言ってくれてるのを聞いて、ヘナチョコ司令官である母と、大ウケしていた沙知代の息子を思い出し苦々しい気持ちになりました。高校の友達て皆ズバズバ言いますよね。

 

でも、こんなイマイチな卒業式だったけど、当時の自分にとっては可愛くできなかったなーっていうことはさほど問題ではなくて、それよりも受験、将来、うおーーーー!!!!

みたいな感じだったわけです。

 

で、時は流れて2年後。

 

成人式に備えて着物を借りよう。

 

またこの面倒な季節がやってきました。

 

成人式に出ない、という選択ができることすら知らなかった私は、とにかく半年前から緊張していました。中学のときのみんなが集まる…久々に…。楽しみだけどなんか緊張する。

 

で、あまり考えたくなかったんですね。

 

私は成人式の準備に消極的でしたが、その間にお母さんが暗躍。またしてもーーー

 

因縁の「アルベル」へと、私を誘ったのです。

 

当時の私に拒否権などもちろんありません。

 

アルベルは近所の島田さんがパートしているから、

お母さんは義理がたく、あれ以来、そこで積み立てをしていたのです。

逃れられるわけはありません。

 

卒業式で見た可愛い着物が、今度はあるかもしれない。

と、私はどこまでも楽天的でした。

 

再び、あの着付け室に通されました。どんな着物があるかはもちろん、秘匿されています。

 

「はい、何色にする?」

 

「じゃあピンクかオレンジで」

 

多分この2色なら可愛い柄のが多いんじゃないだろうか。

そう思ってお願いしたものでした。

 

どんなのがくるかな?ワクワクーーー。

 

出てきたのは、オレンジと、

黄色からピンクへグラデーションする柄のーーー

 

二着。

 

ちょっとォーーーーー!!!!!

なんでいつも一色につき一着しかないのよ在庫が!?なんでェ!?アンタ達腐っても貸衣装屋やってんでしょッ!?!?

どうなってんのよォーーー!!!!!!

あとそんな在庫少ないならアルバムくらい作りなさいよ!

そんで完全なピンクなんでないの?ほぼクリーム色だけどこの着物?人気色ピンクが10ヶ月前に在庫0になるてアナタ………!!!在庫数、見直された方がいいわよォーーー!!!!!!

 

私の中のオネエが力の限りそう叫びました。暴れ出したい!そう思いました。しかし島田さんの手前もあり、人としての手前もあり、言い出すわけにもいかず…。

 

そして今考えたら、黄色とピンクのグラデーションに、ふんわりと白い花が咲いているデザイン、の振袖、の方が可愛かったです。

 

でもそのときの私は「こっちのがかわいいな。んー、でも自分は元気だしな」

という、わけのわからない理由でオレンジ色を選択してしまいました。

 

更にやる気のない私は、またしても美容院をお母さんに任せてしまいました。

 

お母さんは今回は張り切りまくり。

「前の変なメイクのところじゃないよ。最近見つけたいいところがあるの。かえでの木っていうところなんだけど」

 

ーーかえでの木てそれ、地域交流センターとかじゃないよね?

お手玉づくり体験とかどんぐりでやじろべえを作ろうってやってそうだけど?大丈夫?

 

今の私ならその名前を聞いただけでギラリと目を光らせてそう俊敏に言うでしょう。そしてネットでストーカー並みに下調べを重ね、地元で最もおしゃれで位置もちょうどいい所を探して行くでしょう。

 

でも当時の私はかなり適当だったので、

「おー!笑」

みたいな感じでついていきました。

 

「ここの人は振袖の着付けのスピード日本一になったの。それに、めろんと同い年の子がいてね。普通科じゃないし知らないと思うけど、同じ学校だったんだって」

 

それで親近感を持った&感心したらしいお母さんの目には「かえでの木」しか映っていませんでした。しかし、よく考えてみれば、知りもしない同級生がいるというのが、なぜ成人式の美容院を選ぶ決め手になるのでしょう。何も関係ないじゃないですか。

あと着付けの“スピード”日本一て、別にそんなスピードは速くなくていいだろ。朝切羽詰まる予定なの?

で、肝心のヘアメイクの技術はーーー?

 

今ならこういった疑問がいくつもいくつも浮かびますが、当時はアホバカ受け身人間だったのです。おぉ、まぁ、お母さんが気に入ってるならそこでいいか…

みたいな感じでした。

 

かえでの木は、40年前の少女漫画のような外観でした。

 

レトロ可愛い!みたいなのありますが、みなさん、美容室だけは最新の設備とインテリアを信用しませんか?そうですよね?地元の「理容&パーマ 赤ふうせん」みたいな所、レトロ可愛いー!って行きますか?

行かないんですよ。

 

…学ばない私も当日「かえでの木」の前に立ったときにようやく

「美容 みづえ」のときのことがフラッシュバックしました。

 

出来上がりは…

 

白塗りに、二重幅のほとんどが黒く塗られ、濃い目の赤い口紅…、マスカラもつけたら、かなりケバい仕上がりに。

 

普通こんなとき、いい意味で使われる

“これが……私?”

が、悪い意味で浮かびました。

一生に一度の日の奇妙な大変身に、驚かずにはいられませんでした。

 

さらに、お母さんに任せた「成人式の写真撮影場所」。

 

これがまさかの「スタジオアリス」でした。

 

皆さん、スタジオアリスってご存知ですか?

 

日本全国どこにでもある子供写真館のアレですよ。

 

お母さんはどこで聞きつけたのか、スタジオアリスでも撮れる、という情報を得て、私を、子供写真館に連れていきました。

 

なんか違う、なんか違うよね。できるかもしれないけど、友達と私、なんか違うと思うの。

私は頭がグラグラしてくるのを感じていました。

スタジオアリスの優しいスタッフさんたちのブログには

「今日は、素敵なお姉ちゃんがきてくれました♥︎︎」

みたいな感じで、子供に混ざって、あの時の叫び以上に見た目がオネエのような仕上がりになった私の写真が掲載されるそうです。

 

ーーーまあまあまあまあ、心配しなくてもアリスのブログ見るのは子供の親たちだけだよ。同級生が気がつく可能性は著しく低い、そうだ、大丈夫。大丈夫なんだ。はわわわわ…。車の中で私はそう言い聞かせて正気を保ちました。

 

成人式は、平成の大合併を経て巨大になった市の新成人が全部ひと所に集められていました。そりゃもうとんでもない人数で、みんなとの再会が精一杯でした。どこにいるか聞いても会えないぐらいの人波。時間が短すぎる。この会場では友達全員には会えず、でもその中でも何人もの人に会えた!うれしい!久しぶりー!!!…

そっちがメインで、みんなの振袖はそこまで覚えていません。

だから当日の事はいいとして……

 

…あれから何年経ったでしょう。

手元に残ったのは、女装した山田先生のようなベタなオカマ感が漂い、派手さと時代遅れが競演する自分の写真だけです。

 

私は、成人式を終えた後で成人式がどういうものかよくわかり、

それ以降は芸能人の成人式を意味をもって見るようになりました。

普通、逆ですよね。

ちなみに成人式の1週間後原付にのっていたら、携帯を橋に落として粉砕、みんなの連絡先はわからなくなり、まぁいいか今度で、とやってたら大半と疎遠になりました。

これも私の人生の一部になってますね。

 

で、さすがに大学の卒業式はお母さんを一切関係させてはならん、と、強い意志を持って自分で振袖を大学生協にて大量の見本から選び(これがやりたかったんだよ、普通そうだよね?)

メイクは覚えていたので自分でやり、髪は行きつけの美容院に頼み、かわいい髪飾りを探しまくり…

最高に満足のいく装いができました。

 

最後、こうやって振り返ってみると、どれもこれも、お母さんが悪いのではなく、お母さんに任せた自分の適当さ、研究を怠った自分の適当さ、まぁいいやなんでもと思った自分の適当さがいけないのです。自分の悪いところ、適当。

これ、近年はこういった経験のおかげで前より治せてきているかもしれません。

 

また、随所随所で「別のを選んでいれば」回避できた後悔もあったように思います。

つまり自分の選択ミスということです。

 

ただ卒業式だけはホントお母さんに任せなくてよかった…。絶対そうだった。

それだけは間違いありません。

 

みなさんも、「何か悪いパターンに陥りがちだな」と思うような関係性の人とは、同じことをしない方がいいですよ。

 

まあ、こういった着物のトラウマから一時期着物を着るのにハマったりもしてましたし、

仮にこういうような失敗しても取り返せます。今ってほら、写真みんなに公開できるし!ね!大丈夫!!!

問題無し!!!!!!

 

ということで、皆さんの後悔も少しは軽くなるといいですね。

 

おしまい。