ツイキャスをやって予定外だった話
こんにちは!めろんです。
なんかこの前ね、フォロワさんとラジオごっこしたいな、と突然思ったんですよ。ラジオごっこの中で楽しい笑いとか生まれたらいいなって。
なんですけど、恥ずかしがり屋なので、コラボキャスやらない?ってなかなか誰にも言えなくて、とりあえず一人で練習してみようと思ったんですね。
フォロワーさんとしゃべりたい!とか、そういうタイトルをつけたり、合言葉での配信とかできるみたいなんですけど、その時はやり方わからなかったので全体公開でやったんです。
1度目は好きなフォロワさんきてくれて嬉しかったし、またやろうと思い2度目のキャスを始めました。
そしたら知らない男の子がやってきたのです。
版権フリーっぽいほのぼのしたカエルのアイコンに「よろしくお願いします」と書いてあり、Twitterだったら絶対フォローしないような「鄘(青色コロちゃん)」みたいな感じの名前。
正直全てが意味不明でした。
コメントの感じからしても幼い感じだったので、調子に乗って「もしかして小学生?」と言ったらコメントでキレてましたので、その幼さも含めて高校生ぐらいだろうかと見積もりました。実際は18歳でした。
その子が「コラボキャスしましょう」と言ってくれたので、難解なキャスのことを教えてもらえるし、ラジオごっこの練習できるぞ!って、やってみたんですね。
話してみると、なんかこう、いわゆるイケボみたいな人だったんですよ。
私はイケボとか最近の声優とか全然興味ないんです。山口勝平さんとかきり丸・ルフィの声は好きですけど…。平成の小学生なので…
でも、まずここが間違ってるってことをいやというほど思い知りしました。
キャスって、基本的に声に自信のある人が集う、まあ「音声の出会い系」みたいなとこだったんだね。
知らなかった。
まず私はその人に「声優さんみたいですね」と挨拶がわりに、褒めてみました。
謙遜するにしても、普通「いやいやー」とか、受け入れるにしても「えーうれしい」で終わるでしょ?
こっから地獄の2時間が幕を開けましたね。
「今なんて言った?声優っ……!?」
「え?💦(なんか悪いこと言ったかな?)」
「……………それは絶対に、ない」
「え?あ、ごめん…」
なんだこの反応??
本気で嫌なのかな。と思っていました。しかし、
「この前インスタライブしたんだけどさ、泊まりにきてた子がインスタライブはじめたんだよー。そいつ声カッスカスで、そいつよりはいい声だと思ってたんだけどー、イケボじゃないとか、そいつの方がイケボだとか言われてさー、見に来た女の子に…でもそいつ声カッスカスなんだよ?ブツブツ…」
あ、声に自信あるのか!
なるほど。褒められたいのね。わかったぞ。と思った私はとりあえず、
「えーでも全然、いい声だと思いますよ。なんかからかわれたんじゃない?」
と褒めました。
「いやいやいや、僕なんかクソボイスですよ。クソボイスって言葉があったら、クソボって言われてるからwwwほーんと、全然、ぜんっぜん、良い声じゃ、ないから」
「えぇ!?いやいや、そんなことないでしょw」
「いやも〜、ほんっとに。クソボクソボ。クソボですよ……。ってか俺の声って高いのかなぁ?最近なんか、言われんの。めっちゃ低いって。でも低いってなると○✖️△…」
っ長ーっ!!!
この人の声バナ、長っ!
声バナって何!?
声が高いか低いかってそんな語り合うべきこと!?「戦慄の楽譜(フルスコア)」以外で、声の高低そんな重要になってこないだろ!!!
高いと言われたいのか低いと言われたいのか私にはわかりませんでした。男の子は低いって言われたいのかな?でもどちらかというと高いと思う…たぶん…。なので比較のために芸能人を出すことに。
「ごめん、声が高いか低いかって私あんまりわかんないや。んーと、たとえばだけど低い声ってさ、えー、サンドの富沢とかかな?」
「……」
無視かい!??
さっきまで声バナあんなに嬉しそうに喋ってたのに!
おーい!
噛み合わない「声バナ」だけで早、30分が過ぎ去ろうとしていました。サンドウィッチマンは好きらしいけど、比較検討しようと思って出した富沢の声については、何も言ってくれませんでした。どういうこと?
彼は18歳ということでしたが、どうやら仕事をしていないし学校にも行ってないようです。
「仕事はねぇ、オレ以外の人が揉めて、オレ関係ないのにやめさせられちゃった」
なんだか浸るような感じの彼。
「え!?なにそれ、不当解雇ってこと?訴えた方がいいんじゃない?労働組合とかないのかな?」
「ねぇ…オレは関係ないのにねぇ……」(遠い目っぽい言い方)
会話が成立してるようで成立していません。
恐怖すら感じます。
「それで仕事は今は…?」
「……」
またかい!無視すな!!!
辞めさせられた本当の理由はわからないけど、それをいいことに、あーもうやる気無くしたーって言って実家でのらくらしてるやつだよ絶対。
会話をしながら、私が当初やりたかった楽しいラジオごっこができる感じじゃないな…と悟りました。まぁ、確かにまだ知り合ったばかりだし高望みしすぎちゃったかな。
もう少し、この子にもわかりそうな、この子に関係ある基本的な話をしてみよう。
「地元って、東西南北でいうとどのへんなの?」
「えぇー?…うーん」
「あ、いや、答えたくなかったら別にいいんだけど」
最初、芸能人なのかと思うほど
「いやいや、ちょwその質問はさすがにっ…w」
みたいに言ってきましたが、最終的に県まで明かしてくれました。なんの時間?
「でもオレ、北って(日本地図の)上と下どっちですかね?って仕事の面接で言った男だから」
えっ…!!!
知能低っ……!
知能、低っ…!!!!!
とは言えなかったですが、これ以外の感想はありません。
彼は
「バカだけど度胸あるオレ」
「知識なんかいらねぇぜ」
みたいなつもりだったのかもしれませんが、笑えません。心配になりました。
「どう見ても上に北海道あるよ」とだけ言っておきました。
「…オレの地元、ヤンキーさんがね、多いねw」
ん?
まさか…。
「へーそうなんだ。まあ田舎ほど荒れるって言うよね」
「………サポーターさんへるんだよなぁ、この話したら」
「なになに?どんな話?」
「おれ、背は小さかったんだけど、中学んとき喧嘩で負けたことなくて。実は……ヤンチャしてたwあと、うちのお父さんとお母さんも、元ヤンと元レディースw」
ーーー少年老い易く、学成り難し。
限られた時間の中に勉強すべきことは山ほどあるのに、私は今、なにをやっているのだろうか?
「いや、ほんと暴力って、よくないからね。うん、暴力はよくないな。」
私はこの一点張りで話を終わらせました。
でも最後のこの話が一番面白かったですね。
「オレの彼女もさ、ネットの人もそうなんだけどさ…。返事が、おそいの」
「へー、そーなの?LINEとかの返事が遅いってこと?」
「そう。」
「そうなんだ。連絡こないってどれくらい?数週間とか?」
「う〜ん、いやーほんとにね、連絡が、遅いの」
「えーと、最後に連絡きたのいつ?」
「オレの誕生日2月なんだけど。そんときはおめでとー!ってきたのよ。で、メモしてたよ、とか言われて、こわー!って。まだつきあってもねーのに、って思って」
!?
「いや、ちょっと待って!2月から連絡きてないの!?」
「うん、まぁ…」
とっくにふられてるよそれ!
別れたいんだよ相手!
ていうか付き合ってたかどうかも怪しいよ!!!
「それ、連絡遅いとかじゃなくない?で、いつから付き合ったんだっけ?5月頭ってさっき言ってたっけ?え?連絡来てないのに、つきあ…
??」
「うーん…あんまり言いたくない。だってこのキャス1人潜り込んでるもん!これが誰だかわかんないし。怖いんだよね。彼女かもしれないし。彼女もぐるから」
もぐるかーーー!!!
どういう気持ちの人間!?!?!?
4ヶ月前に誕生日ラインだけしてそれ以降ライン返さなくて、キャスだけ昼間っから監視する恋人て…!いるとしたら屈折しすぎだろ!
どういうこと!?
そんでこの状況で、どうして彼女をストーカーっぽく仕立て上げる!?無理だろー!!!
「お互いめっちゃ好きなんだけどねぇ。それにめっちゃかわいいんだよなぁ」
はぁはぁ…めっちゃ好きな彼氏がいれば、その彼女はラインするよ。…
「いや〜うーんまぁ、今回は残念だけどさ、でもさ、18歳ってことだし、これからまたいいこといっぱいあると思うよ、うん」
「え?残念…?んん〜?ww」(不満そう)
「いまの彼女(???)さんの本心はもちろん私にはわからないけど、う〜ん…ずっと連絡しないで自然消滅狙いの人って、いるからね〜…まぁまた出会いがいくらでもあるよ、18歳だし」
「いや、もういいや。女って別れるときめんどくさい!もうオレから、別れよーってびしっとラインしてやろーかと思ってる!」
……
アホ!
私の反応を見て何かを悟ってくれたのか、それはわかりませんが、彼は今度は名誉挽回に打って出ました。
「オレのサポーターさ?9割女性なの。で、その人たちがみんなうるさいの。私以外の人とキャスしたー!とか。(略)そのことをもー、いとことかにいじられちゃって。コメントでなんて言われてると思う?ヒントはね、バイクと、王様」
いとこたちがイジリにツイキャス聞きにくるなんて、平和だな。
「せっかくのヒントなんだけど、ごめん、ぜんぜんわかんない」
「もー。じゃ、言うよ?正解は、ハーレム王!わかる?バイクといえばハーレーダビッドソンのことね。だからヒントがバイク。とにかく、ハーレム王!ってキャス中にコメントしてくんのー!もー、やなの!ほんとにやなのこれ!」
いや、ハーレム王って言われてもwハーレム王って言われてすごいか?え?小学生…?w
「そんなに嫌なんだ!wじゃ、NGワード設定できるからしたら?できるよ、NGワード設定。」
「いやっ、それは、やり方わかんないから!」
キャスについて詳しいはずの彼は、驚くほど頑なでした。
それから「オレの身長は168センチ」という話で、かなり引っ張られました。小さいのを気にしているのか、もしかしてかわいいと言われたいのか、ここもこの子、よくわかりませんでした。
「オレおっきいからわけてあげたーいw♪ん?なんだなんだ?バカにしてんのか?お?」
というおそらくいつもやっているであろう茶番に付き合いながら、己の人生の中で、これほどまでに無駄な時間が、果たしてあっただろうか?……と、
私は強く深い羞恥心にかられながら、心の中の後悔の螺旋階段を一歩ずつ降りて、(どの時点でどうすればこの状況を避けられたのか)という自問自答に入りました。
そのくらい私は「無駄」に対する苦痛を目の当たりにしていたのです。
身長の話は「いいと思うよ。リヴァイは160だよ」の一点張りで乗り切りました。
リヴァイのおかげで最終的に
「身長よりも、顔じゃないか?」
という説に落ちつくと、その話はしなくなりました。
いつ終わらそう、いつ終わらそうと考えていると、彼はこんなことを言い出しました。
「ツイキャスって、プライベート配信ってできるんだけどさ。合言葉を入れてその部屋に入るのね。DMで交換して」
「あ、うん、…」
一生懸命盛り上げていたのもあり、どうやら、プライベート配信に誘おうとしてくれているようでした。
「…でも誰も入ってこないようにして2人でやるプライベート配信て、もはや電話だね」
なぜかここで彼、失笑。
「まぁ、なんでもいーんじゃないですかっ?」
んあああああーーー!!!!!!!!!!
呆れた声優のようなトーンに、私の手は考えるよりも早く、失礼を承知で突然キャスを切り、アカウントを削除していました。本当にごめん。そして心の中の螺旋階段をおりるのをやめ、ダッシュでかけが上がり現実に戻ろうと、私はすぐ妹に電話をかけました。
「ねぇ、聞いて!いまこんなことがあってわーわー…」
「あぁ、キャス界隈にいるのって、屈折した〇〇(自重)だよね。わかる」
中学の時などにキャスをやっていた妹によれば、キャス界隈はそういう人が多いので仕方ないとのことでした。また、やたらと「いや自分はクソボイスだ」などと言うのは、イケボと言われる人々のセオリー(流行?)でもあるらしい。
そんなこんなで、私は子供と喋った数時間を…
なんとか実りあるものにすべく、
こうしてブログを書いてみましたが…
どうなんでしょうか…。
結局人は、
現実の自分や自分の過去などを知らない人のいる場所で、理想の自分や、モテる自分、必要とされる自分…というのを演出しようとするものなんですね…。
でも自分も18歳の時、ひたすら自分中心で自分のことばかり考えて、色んなことにすごく敏感で、喜んだり傷ついたり憧れたりわけもなく寂しかったり…貴重なお金で買った一冊の雑誌を何度も何度も大切に読んだりして、ワクワク、キラキラした感じに取り囲まれてたなぁ…って思いました。
そして、あの子と同じ、いや、もしかしたらもっと。
とにかくいっぱい褒めてほしくて認めてほしくて仕方なかったかもしれない。
痛々しいけど愛おしい。そんな頃を懐かしく思い出させてくれて、ありがとうと思いました。
色々書いちゃいましたけど、私なんかのキャスにきてくれて、話聞いた上でコラボしましょう!て言ってくれて、すごく嬉しかったです。
あと私の声について褒めてくれたことも、とっても嬉しかったです。
今後関わることは無いかと思いますが、また頑張ってお仕事して、元気に過ごしてくれたらいいなと思います。
おわり。